これが本当の働き方改革? 小企業にはオフィス不要

目次

テレワーク
会社とはオフィスがあり、社員が集って仕事する場所。大学を出たらサラリーマンになってスーツを着て電車や車に乗り通勤、というのが従来の会社員のあり方ですね。つまり、自宅と勤め先を定年まで何往復もする。これが、ごく当たり前の誰も疑いを持たない固定観念になっていました。
しかし、令和2年の今年、その常識が変化しつつあります。いわゆる3密を避けるために通勤自粛となり、非常事態宣言の期間中、一人も出社せずオフィスがずっと無人だった企業もあるほどです。
普通に考えたら生産性が落ちてしまい、会社にとって大打撃になると想像しますが、意外にもそうではないケースが多数。むしろ、この状況をコスト削減や意識改革のチャンスとして、プラスに転じた企業も存在します。

1 コロナがもたらした新しい会社のスタイル

実例① 社員の充実感~計算外の大きなメリット

子供と遊ぶ
渋谷駅徒歩6分の好立地に70坪のオフィスを借りるA社では、緊急事態宣言が発表される以前の3月、自主的に通勤の自粛を決行。社員同士が近距離で向き合う形の“島型固定席”が日本企業では一般的ですが、これが飛沫感染の元になると判断したためで、急きょ全社的にテレワーク導入へ踏み切りました。40人以上の社員全員が、自宅での勤務になったのです。
当初は生産性の低下と同時に売上の減少が予測されていましたが、二ヶ月経過後に前年度同月の実績と比較したら、ほぼプラマイゼロの結果に。しかもスタッフの評価は上々で、

「子どもと一緒の時間が増えて、お互いニコニコ。家族とふれあいながら楽しく仕事できている」
「通勤にかける時間や手間がなくなり、ストレスフリー」
「自分のペースで仕事を進められる」
「気が向けば早朝でも深夜でも、自分の裁量で業務ができる。これこそホントのフレックス」
「我慢しがちだった趣味に費やせる時間が増えた」
「家事との両立がしやすい」

マイナス意見もチラホラあったものの、アンケートの結果、こうしたプラスの回答が大半を占めたのです。

A社では今後もテレワーク主体の業務を続行。将来的にオフィスをなくす方向性も見すえて、最低限のスペースを確保する方針に転換すると決定しています。

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実例② ランニングコストの大幅削減が実現

従来、オフィスの賃貸料が月150万円以上かかっていたB社も、コロナ騒動を機にリモートワーク主体の業務へと転換をはかった一社。同社は港区に借りていた75坪のオフィスを解約し、同区内にある26坪の物件へ拠点を移しました。
その結果、賃料はおよそ3分の1の48万円に縮小! 会社代表と経理など主要メンバーが出社するだけで、残る50名程度のスタッフは自宅などパーソナルスペースでの業務を継続。社員同士や部署間の連絡にはZOOMを使い、どうしても会議などで社員が集るケースのみ、オフィスを用いるスタイルに変更したとのことです。

同社でも生産性にマイナスは見られず、むしろ賃料や光熱費の削減が実現し、通勤費もほぼゼロにまでカットできる結果になりました。むろん、コロナを歓迎するはずもないですが、会社にとって思わぬプラス効果がもたらされた格好です。

2 オフィスは城? 失うことへのデメリットは

しかし、オフィスをなくす、あるいは大幅に縮小する際には、いくつかの問題点も浮上してきます。以下、主要なものを並べてみましょう。

デメリット① 信用&ステイタスの問題

日本のサラリーマンはサムライに似ています。会社は、藩にソックリです。城というシンボル兼職場があって、毎朝登城(出勤)して“二君にまみえず”忠義をつくしながら奉公する。これが江戸時代のサムライでした。サラリーマンの生活や意識と、どことなく似ていませんか? 今でこそ転職は当然との風潮がありますが、回数が多いと難色を示されるのは一昔前と同じ。すぐに退職されたら困るのは理解できるので致し方ない部分もありますが、日本人の仕事意識の根底は、さほど変わっていないと言えるでしょう。

また、会社住所とはステイタスでもあります。東京なら会社が丸の内にある、日本橋にある、大阪なら心斎橋にある、梅田にあると言ったほうが、まわりのウケがいい点も古色蒼然としていますね。一休さんの袈裟の話じゃありませんが、人はその人自身よりも、まつわる情報で人を判断しがちなものです。会社に対する批評も、非常に似ている部分があります。

そういった意味で、会社とは城です。どんな場所にあるかで、評価が大いに変わります。仮に住宅街にある社長の自宅が会社の住所になっていたら、取引相手が二の足を踏むのは、容易に想像がつくことです。

デメリット② テレワークに専念できる業種&職種は限定的

前に紹介したA社、B社はともにIT関連業種です。パソコンを使用しての業務がほとんどのこういった業種、職種なら、テレワーク移行もスムーズに行なえます。
しかし、製造業や運輸運送、あるいは冠婚葬祭といった業種の場合、そもそも工場や倉庫、式場などに人が集合しなくては成り立ちません。テレワークしたくてもできっこない、というケースがあるのです。

デスクワークを行なう部署のみテレワークを導入する手もありますが、しかしそれでは社内に軋轢が生じるでしょう。

「アイツらだけ家で仕事できて、いいよな」

現場のスタッフが、こうした不満を感じても仕方ないし、これが原因となって部署間の不和を招く危惧があります。また、ホウレンソウ(報告、連絡、相談)がスムーズにいかなくなる可能性も否定できません。

デメリット③ 通信環境の整備

テレワークする場合、自宅⇔自宅、自宅⇔取引先などで連絡を取り合い、データをやりとりする機会が増えます。オンラインで会議やプレゼンを行なうケースも出てきます。このとき問題になるのが、通信環境です。

一般家庭でも、インターネット回線のないケースはもはや珍しいでしょう。しかし、回線がない社員宅や、通信速度がまちまちといった問題があることを想定すれば、たとえば会社側がモバイルWiFiルーターを契約して付与するなど、ストレスのないテレワークが可能なインターネット環境を整備していく必要があります。これに付随して、顧客情報をはじめとする機密性の高い情報をやりとりするケースもあることを考えれば、セキュリティに対しても注意を払わなくてはなりません。

オフィスの賃料や光熱費に比べれば負担は軽いですが、これら整備と維持、メンテナンスにかかる費用が当然必要になってきます。

デメリット④ 教育・モチベーション・タスク管理

新入社員を教育する際には、やはり上司や先輩と同じ空間で行なうのがベター。研修や座学の場合でも、広い空間に全員集合するのが効率的ですね。各自居場所がバラバラだと、コミュニケーションが取りにくい状況になるのが、たやすく想像できます。

教育に関連して、モチベーションの問題も出てきます。通勤の手間がなくストレスフリーで、自己の裁量で働けるのはメリットですが、上司や同僚の視線のあるオフィスのほうが、モチベーションが維持しやすいと感じる人もいるはず。新入社員はとくに、入社してすぐにテレワークでは気がゆるみそうですね。

タスク管理も気になる問題。オフィスで常時対面できる距離にいるのと比べてコミュニケーションが希薄になることで、社員個々のタスク管理も困難になります。それぞれの仕事やスケジュールをいかに管理するかが重要となり、その分、社員個々の自己管理に期待するしかなくなります。

自己管理といえば「自分の裁量で業務ができる」とのA社社員アンケート回答。このことは逆に、いつまでも際限なく働いてしまう悪弊をつくりかねません。サボるのもモーレツに働くのにも自己の裁量が大きく影響するなら、会社側は、それこそ管理体制をシッカリつくり上げることが重要になるのです。

3 デメリットゼロ? 起業時にノンオフィスを実現する手

大企業でもオフィス縮小&テレワークは可能!?

リモートワーク
オフィスをなくして全面テレワークに移行するには、メリット、デメリット双方、様々あることが分りました。メリットを享受できるなら脱オフィスを考えたい経営者も多数いるでしょう。
が、100人超の社員を雇うソコソコ以上の規模で、バックオフィスの人数が多いといった会社には、なかなか一歩が踏み出せないはず。そうしたケースでは、オフィスを残すとしても縮小し、さらに出社する人数を最小限にとどめるといった方法が残されます。

日本を代表する大企業の成功例として、味の素株式会社が実施する『どこでもオフィス』の取り組みが非常に参考になります。名前の通りいつでもどこでも働けるシステムは、所定労働時間が従来より20分短縮された7時間15分。出社は週1回、業務内容も場所も問わず、終業後の報告義務もない。2017年4月にスタートした本格テレワーク体制ですが、労働時間あたりの売上高は10パーセント上昇と上々の成果をあげています。
味の素は、単独でも3,500人近い社員を抱える大所帯です。これほどの規模でも、テレワーク移行は可能です。大いに参考になるのではないでしょうか。
(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57805)

小規模&スタートアップなら方法は豊富~リスクヘッジの一環にも

これからスタートアップ、デスクワーク主体という企業なら、ノンオフィスの選択肢が十分に可能。従業員5名程度の小企業も同様で、移行の障害が少ないはずです。方法としては「コワーキングスペース」「シェアオフィス」「バーチャルオフィス」が代表的なものになります。以下、特徴を見ていきましょう。

① コワーキングスペース

「共同で仕事をする場所」という意味のコワーキングスペース。起業のための仮オフィスとして人気があり、固定席と個室の相場が首都圏で月3~5万円、オープンスペース(席を選ばない)なら1~1万5千円程度とコスト抑制に向いています。法人登記と住所利用が可能な業者もあり、最近では1時間500円でセミナールームを貸す業者も存在します。電話転送も可。

ただし、スペースと名のつくように、自社オンリーというわけでないのは難点です。あくまで仕事をするスペースを貸すだけで、種々雑多な人々が集うネットカフェみたいなもの。個室契約しない限り、企業としての秘匿性、機密性は保てません。ネットカフェのたとえ通り、電話もかけにくいです。また、オープンスペースの場合には毎日席替えするのが当然ですから、パソコンなど仕事上のツールを常時置いておけないのもマイナスになります。

コスト軽減には役立ちますが、会社としてはどうなのか。やや、疑問符がつきます。

② シェアオフィス

コワーキングスペースの個室タイプが、シェアオフィス。最も理解しやすい表現が、これでしょう。ワンフロアにいくつかの個室があって、それぞれが別会社というスタイルです。だいたい、一室3~4人で使うケースが多いようです。

契約の仕方も月単位から数日間まであり、お試しで使ってみるのも一つの手です。

メリットとしては、情報共有がしやすい点。類似した業種が同フロアに入居していれば、互いの情報を交換しあい、上手に連関させていくことも可能です。共同で使用できるミーティングスペースがあるため、同業他社をも交えた戦略会議開催なんてことも。他社との距離が近い分、フロアのみでなく仕事もシェアしやすいのは面白い特徴です。

問題になるとしたら、やはりプライバシー。それとコストです。

個室だけに、コワーキングスペースに比べれば電話や会話がしやすいですが、物件によっては鍵がないことも。現金や顧客名簿、パソコンなど、置いておくのはコワイです。

コスト面でも、首都圏の駅チカなら月額で8万円以上かかるのが普通。場所によっては10数万円かかります。個人や3~4人でのスタートアップなら、やや尻込みする金額ですね。

③ バーチャルオフィス

現状、最もおススメできるのがバーチャルオフィスです。
過去には住所貸し程度の認識でしかなかったバーチャルオフィス。名刺に記された会社住所へ行ってみたら高速道路の橋脚だった・・・・・・、などという笑えない話があったものですが、そうしたウサン臭さも過去の出来事。現在は多用なサービスを実施しており、大きくイメージが変わっています。住所を貸すことは当然で、都心の一等地に会社住所を登記できる上、電話番号も東京03が使用可能。それ以外にも電話秘書サービスや電話転送、内線取次、郵便物転送、通信インフラの整備までも行なってくれます。完全リモート、テレワークには最適な上に、リアルなスタッフの職場はそこにないため機密性も抜群です。
また、会社設立の際に非常に面倒な手続いっさい、これを契約行政書士が代行するサービスをそなえた業者も存在します。

興味深いのは、来客用や作業用に月3万円以下の安価でオフィスがレンタルできるサービスを導入した業者もあること。そのほか、会議室はもちろん突然の来客にそなえる応接室を準備できるケースもあり、もはやこうなるとバーチャル(仮想)ではありませんね。月々1千円台からはじめられるプランもあり、コスト削減にもってこいです。
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まとめ

企業にとってのリスクヘッジの第一歩は、ランニングコストの削減です。オフィスを最小限に縮小あるいは不要とし、関係する費用を削減すること。これを実現するだけでも、会社の体力は飛躍的にアップします。コロナだけでない災害やリーマンショックのような危機を乗り越えて生き延びるためにも、そうした“転ばぬ先の杖”が有効になるのではないでしょうか。常識にとらわれない柔軟な発想で、リスクにそなえたいものです。

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オフィスナビ編集部

「バーチャルオフィスのオフィスナビ」のお役立ちコラムです。 バーチャルオフィス、起業、働き方のスタイルについて有益な情報を発信していきます。

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